スペルト古代麦 (Triticum spelta)

ギリシャ神話によると女神デメテルは大昔、人間にスペルト麦を与えました。ギリシャの船乗りたちは世界中を旅して人々にスペルト麦の栽培を教えました。

実際、最も古いスペルト麦の痕跡は新石器時代の施設にさかのぼります (西ジョージアとメソポタミア)。これらの考古学的発掘により、スペルト麦のルーツをたどることができました:黒海、ブルガリア、ポーランド、スウェーデン、デンマーク。中央ヨーロッパでは、スペルト麦の栽培は青銅器時代の終わり (紀元前1100~800年) までさかのぼります。スペルト麦は西ヨーロッパで11世紀まで冬の穀物の主として豊富に栽培されていました 。ガリア人 (昔のフランスの住人) が消費する主な穀物であり、ガリア人は帝国時代のローマにスペルト麦を供給しました、その為スペルト麦は「ガリア人の小麦」と呼ばれます。また、ガリア人はこの麦を使ってセルボワーズ (ビールの祖先) を作りました。

膨大な年月を経てエンマー(四倍体麦)と野草(「タウシュ」エギロプス属)が自然な交配をしてできた小麦です。スペルト麦は六倍体麦で小麦とは単一の遺伝子 (Q遺伝子) が異なり、スペルトイド遺伝子と呼ばれる。結果:スペルトは殻粒 (服を着た粒) です。花軸は壊れやすく、脱臼する。脱穀の間に小穂は完全なままです (花軸が付いた状態で) 。穀物をはがす必要があり、30%の損失があります。下記がスペルト麦の特徴です。


  • 穀物のエネルギー値は小麦と同じです。
  • タンパク質含有量は19% (小麦の場合11%)。
  • スペルト麦には、小麦の3倍のアルブミン、リンとビタミンAが含まれています。
  • リジン(アミノ酸)が豊富。
  • マグネシウム、亜鉛、鉄、銅が豊富です。

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